どんな状況でも自分を認めることはできる

苦しみのない人生はない 幸せはすぐ隣にある 小澤竹俊

たとえ、役に立たない、何もできない自分であったとしても、人はこれでよいと自分を認めることができるのです。

自分を認められた一人の女性を紹介します。
その方は、2018年4月23日に在宅で亡くなられました。
この方に最初に在宅医療で出会ったのは、2017年10月です。
とにかくこの方は、人に頼ることが嫌いで、自分で自分のことを行うことを信念に生きてきました。
その方がガンと診断されたのは、5年前のことでした。
進行がんと診断され、手術、抗ガン剤の治療を受けていましたが、再発し、徐々に治療が難しくなりました。
やがて、仕事もできなくなりました。
一人暮らしでしたので、生活はとても厳しいものでした。

最初にお目にかかったときは、かなりの痛みをかかえていました。
いくつかの処方を変更し、身体的な苦痛はすぐにやわらげることができました。
しかし、彼女の表情は暗いままでした。
自分が自分でなくなっていく。
周囲の人たちに迷惑をかけたくない。
こんな体なら、早くこの世から消え去りたい。
暗い思いが、彼女の心に重たくのしかかっていました。