どのように生きるか!

70歳からの選択 和田秀樹

延命を望むあまり、化学療法を受けることはかえって生活の質を落とし、やりたかったことができなくなるおそれがあります。
私の場合、結局ガンは見つからず、糖尿病だったことが判明したのですが、もしもすい臓がんだったとしても、私の判断は正しかったと思っています。
もしも化学療法を受けてしまえば、残りの人生を有意義に過ごそうという計画は、ほぼ無理になります。
体がだるくなり、美味しいものも食べられなくなるのです。
たとえ多少の延命ができたとしても、残された時間に何もできずに終わる可能性が高いのです。

私から言わせれば、人間誰しも100%死ぬのですから、手術だろうと化学療法だろうと、延命効果しかないわけです。
その場合、延命できるけど生活の質が低い。
食べたいものや旅行を我慢する人生を送るのか、延命できないかもしれないけど、好きなことができる人生なのか、それは自己決定権の問題であって、医者に決められる話ではないのです。