ずっと先の楽しみ

辛い気持ちが消えていく 斎藤茂太

つらい気持ちというのは、今の自分への不満であるといっていい。
「こんな仕事をやりたくないのだが、生活のためにやらざるを得ない。やめるわけにはいかない。ああ、情けない自分」
「どうして私ばかりが、いつも損な役割をしなければならないのか。ああ、自分で自分の人生を恨みたくなってしまう」

こういったつらい気持ちをしているのは、何もあなただけではない。
誰でも、多かれ少なかれ同じような気持ちをか抱えながら生きている。
けれども、何とかやっていけるのは、5年後10年後の先々に楽しみを心の片隅に大切に置いているからである。

「確かに今は、思うままにならない生活を送っているけれど、今に見ていれよ!!」と若々しい闘志も生まれる。
心の中でこうしたことを描いているだけで、物事はその方向に進んでいくものだ。