この子が死んだら、あなたは・・・ 2

ある時、いつものように遅い両親の帰りを待ちながら「このまま、死んでしまいたい!」と叫ぶと、そばにいた祖母がたまりかねて言ったのです。
「お母さんがどんな思いで、あなたを産んでくれたと思っているの!? お母さんはね、お前を身ごもった時、お医者さんから『この子を産んだらあなたは100%死にます。いいのですか。まだ遅くはありません!!』と言われ続けていたんだよ。それでも最後まで『死んでもいいから産みます』と言っておまえを産んでくれたんだよ」

大変なショックでした。
世の中には、自分の都合で我が子を殺す親さえいるのに、なぜそこまでして・・・。
その夜、母に尋ねました。
「どうして今まで言ってくれなかったの?」
相変わらず母は微笑んで「今、尚子が元気なら関係ないことだからよ。尚子もお母さんになれば分かるよ」と言うばかり。

一体どんな思いで出産に踏み切ってくれたのか。
生まれてくる私の命に人生のすべてをかけてくれた母。
そう知らされたた時、胸が詰まり、かけがえのない命を何と粗末にしていたのかと反省せずにはいられませんでした。