がばいばあちゃん 4

粗食で思い出したが、ばあちゃんのオリジナル料理はすごかった。
じゃがいもとタマネギを煮ただけの「肉じゃがの肉抜き」、「卵かけご飯の卵抜き」は、ただの醤油かけご飯、「特性チャーハン」は、ご飯とタマネギを炒めただけ。
でも、これらは腹のすいた俺にはご馳走だった。
「一番食べたいものが、一番高級品」というのが、ばあちゃんの口癖で「うまいから高いんじゃない。数が少ないから高いだけ」とも言っていた。
「腹八分目は嘘ばい。腹七分目がよか」とも言っていた。
もっとも「身体のために少なく食べてるの?」と聞いたら、「違う、金がなかばい」と威張って言っていたが・・・。

ばあちゃんのすごい話しはもっとある。
はしかで熱が出て、うんうんうなっている時に、熱を測ると38.2度もある。
幼い時の洋七さんは。その数字を聞いただけで心細くなってしまった。
「よし、大丈夫。 お前なら40度は出せる!」
一瞬、熱って高い方が勝ちなのかと思ってしまった俺だった。

ばあちゃんも偶にはいいことを言う。
「死ぬまで夢を持て。叶わなくても、所詮夢だから」
「失敗しても落胆するな。あきらめるな」と言う。
不思議と「失敗してもいいんだ・・・」と、勇気が湧いてくる。
またお祭りの金魚すくいを見ていて「なあ、金、金言うんじゃなか。1億円あったって、金魚一匹つくれんばい!!」と言うのだった。
ある時は、雑草が小さな花をつけているのを見ていたごとがある。
「きれかろう・・」
「うん、でも、ちっちゃい!」そう言った俺に
「アリから見れば大きいばい!」と切り返すのだった。
「人には欲があるけれど、犬や猫は何も言わん。自然の方が人間の先輩だ。だから、自然や命は大切にせねばな・・・」