お迎え

40歳から53歳までは幸福度が減少していき、それ以降は歳とともに幸福度が増していくというデータがあります。幸福度が少ないということは、自分の欲求が満たされていないということです。欲求が満たされないということは、自分の望んでいるバーが高すぎるということの裏返しかもしれません。

歳を重ねてきますと、ありがたいことに欲が減ってきます。食事はフランス料理のフルコースより、おいしいものを少し頂ければ満足できます。着ているものにも余り頓着しなくなります。長年住んでいる住居も、雨や寒さから身を守れれば良しと思えるようになります。見栄も外聞も減ってきます。

歳を重ねる一番いいことは、欲の減少とともに「満足度」が増えてくることです。若いころ、あれほど怖かった「死」ですら徐々に受け入れられるようになってきます。懸命に生きてきた道を振り返ると、無茶をしながらよく頑張ってきたなと思えます。

我が人生、派手ではなかったけれど結構いい人生だった。後はお迎えが来るまでせいぜい楽しもうかなと思えます。