いつまでも好奇心

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

河中さんは、ある講演で「○○で成功をお収められた河中社長です」と紹介されて、怒ったことがあります。
「勝手に決めるな。誰が成功したんや。俺はまだ成功の途中や。成功なんて誰にも分からない。その人間が思っている価値観によるものだ。成功したかどうかなどということは、多分死んだ後に人が勝手に評価してくれるだろう」

河中さんは、失敗はいくらでもしてもいい。
ただし、あきらめた瞬間、失敗は挫折になるのだといいます。
あきらめない限り、可能性はゼロにならないから、自分は一度も挫折をしなかったのだと断言するのです。

河中さんは、70歳を過ぎた今でも、よく高校生など若者に話しかけては輪の中に入り、彼らと同じ目線でいろいろな話しをしています。
その光景を見ていた僕が「すごいですねと」いうと、河中さんが言いました。
「何がすごいんや。俺はあいつらからいろいろ教えてもらっていたんや。もう自分は70歳で、18歳の気持ちが分からない。でも俺は事業家だから、18歳の子たちが喜ぶものをつくりださなきゃいけない。勉強なんや」
河中さんはデパートやコンビニにおちょくちょく行き、通りがかった人にも「今、生活で何が不自由しているか、どういうものが幸せと考えるか」などと話しかけます。
しかし、そういうことを河中さんは、単なる情報収集のためだけでなく、自分自身の興味や好奇心でやっているのです。