いじめ

心晴日和 喜多川泰

以前はとても仲が良かった。
私に対する嫌がらせが始まってから、彼女とも口をきかなくなった。
それどころか、いつもきまって最初に嫌なことを言うのは彼女だった。
「ねえ、ねえ、あれ見て!」
私が何かをするたびに、それを逐一、A子とB子に報告する。
それこそ、机の中からノートを取り出すだけでも、「見てよ、あれ!」となる。
そうすると二人の目線が私の方を向き、こちらに聞こえない声で、しかし私のことを言っているのがはっきりと私にも分かる程度で何かを話す。
初めは嫌~な顔をする。
そのあと、ひそひそ話をして、時々わざと聞こえる声で「最悪~」「うざくねえ~」と続く。
それから聞こえるギリギリの大きさの声で「腐った○○!」という言葉が聞こえる。
私のことだ。
その後、三人は私の方に睨みつけるような鋭い視線を送り、しばらくしてバカ笑いが起こる。
それが、いつものパターンだ。