いいと思ったら即

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

岳南さんは、自分が作品を作っているという表現は使いません。
屋久杉のもつ何千年の世界を、何年かの時間と手間をかけて世に出すのが自分の仕事だといいます。
その工程に関わることを誇りに思い、形になるまで責任を持ちましたという意味を込めて、作品の1つ一つに「岳南」の銘を打っています。

こんな真摯な姿勢を見ていると、僕は岳南さんの人となりをもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。
自宅から岳南さんに電話をしました。
「いろいろ、ほんとうにありがとうございます。僕、いいと思ったことは黙ってられへんから、今度は師匠を連れて行っていいですか? 僕から岳南さんのことを聞いたっていう友達が訪ねていくかもしれへんけど、会ってくれます? 本に書くかもしれんけど、いいかな?」
「分かった、分かった。また誰でも連れて遊びに来い。こんな生き方もあるちゅうのを伝えてくれたら、それもええ」
岳南さんは、すべて快諾してくれました。