「2年か・・・」

ガンになった緩和ケア医が語る 関本剛

「生存期間中央値」という言葉がある。
ある患者さんの集団において、50%の患者さんが亡くなるまでの期間を示すもので、余命の概念とは異なるものだが、いのちの長さがどこまであるのかを医師が患者さんに説明するとき、しばしば参考にされるデータである。

2019年、私が「生存期間中央値」について数値を聞いたのは、10月28日のことである。
「2年か・・・」
直感的に3か月持たないかもしれないと思ったが、それより長かったことに少しほっとした。
しかし、改めて思い直すと、2年という数値がそれほど長いわけではなく、また必ず2年もつという保証もない。
子供の成長をいつまで見届けることができるのか。
2008年に結婚した妻との結婚15周年までもつだろうか。
そんな思いが脳裏をグルグル駆け巡った。

私は一つの決断をした。
それは、自分がガンになったことを隠さずに公表することである。
2019年10月23日、43歳になる誕生日の前日、私は自分のフェイスブックに次のような投稿をした。